特集記事【株式会社アジアンアキンド 松井 理悦】大病に負けない熱き商人魂とBIGな夢 魅力のある人とは何か?

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プロフィール

株式会社アジアンアキンド 代表取締役 松井理悦(まついまさよし)

1979年生まれ 大阪市港区出身

20歳で上京したのち、貿易商社を設立し千葉県にて中古タイヤの輸入販売に携わり、後に高田馬場にて「天下鳥ます」一号店を出店。
2度も白血病を患うも、経営者として敏腕を振るい続ける。現在はFC店舗を含め、30店舗の経営に携わっている。

■企業HP

http://www.a-akindo.com/

鳥ます以前から商人の頭角を現していた

最初は輸入販売の商社としてスタート

-鳥ますを始める前は何か事業をされていたんですか?

そもそも、鳥ますは100個あるビジネス案の1個だったんですよ。
当初、からあげのテイクアウトを始めようと思ったけど見合う物件がなくて、中古タイヤの貿易販売からスタートしたんです。
私の弟が走り屋だったので色々と情報持っていて、走り屋はタイヤの性能がそこそこあれば、中古でも買ってくれるんです。そこが商いのスタートですね。
千葉の方に300坪の倉庫を借りて、4年ぐらい事業を走らせていました。ただ、競合も出てくる中で、輸入コストも結構かかることから、資金回りが厳しくなってきて、撤退しましたね。

兄弟も巻き込んだ経営

-今、その倉庫は会社で使われているんですか?

使ってないですよ。実家の家業である水道管の製造販売の拠点になっています。もともとは親父が家業としてやっていたんですが、それが倒産してしまいまして。既存のお客さんを引き継ぐ形で、関東の拠点として私が家業を回すようになりました。
今はそれを一番下の弟が引き継いでやっています。

-ご実家は大阪で、兄弟も多くいらしたんですね。

今は関西と関東の2拠点で、弟が事業を回しています。
弟は私の会社の役員もやっていて、9割家業で1割コッチですね。今は私も元気なので、少し手伝う程度でやってもらっています。兄弟で仕事ができるなんて良い環境ですよ。

【天下鳥ます】スタート!も順調とはいかず…

くすぶった2年間

-そうだったんですね。少し話を戻しますと、鳥ますはどのタイミングで?

中古タイヤの事業の途中ですね。
その際に高田馬場で良い物件が見つかって、鳥ますがスタートしました。

-順調にスタートしたんですか?

順調にとはいかないですね。軌道にのるまでそこそこ時間はかかりましたよ。2年ぐらいだったかな。低空飛行でしたよ。ただ、ひたむきに頑張っていたら、メディアで取り上げてもらえるようになりまして。そこからですね、火がついたのは。
多い時は1ヶ月に2回のペースで取材が来てました。その後はそこそこ順調に直営店が増えていった形ですね。FC化も行いながら底堅く来ました。

中食と外食の両立の先駆け

-イートインとテイクアウトの両方をやられていますが、始めはテイクアウトだったんですよね?

そうですよ。テイクアウトのお客さんが店前でビール飲みながら食べている姿を見て、イートインでもやっていけるなと思ったのが、両方やるようになったきっかけです。
イートインだと家賃も高くて、結構難しいんですけど。宴会が入るとドッと賑わうのでいいですよ。
最近はコロナの影響でテイクアウトの方が強くて、イートインは半減してしまいましたが、手放したくはないですね。

-事業自体、出店攻勢をかけてから右肩あがりだったんですか?

そこまで順調にというわけではないですね。
取材も増えて露出が多くなると、コピー品や模倣が増えるのが習わしですね。
そんなわけで色々な唐揚げ店が台頭してきました。競合も色々と増えて大変でしたが、今ではほとんど潰れてしまいましたね。いかに自分のブランドを磨きあげるかが分かれ目だったと思います。
今度のブームはタピオカでしたっけ?それもしぼんできたので、私たちからするとその空き物件が欲しいんですよ。テイクアウトにちょうど良いサイズなので。

自分の大病(白血病)よりも会社や仕事が優先

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白血病を患っても考えることは会社のこと

-なるほど、他にも色々と苦労というか転機もあったのでは?

そうです。転機は1回目の白血病のときですね。白血病の発見前から、あまり売上がよくなくて。
今思うと、会社の拡大に従業員がついて来ていなかった、つまりは私の教育が追いついていなかったんだと思います。売上を原因に、私も結構ピリピリしてしまっていて、悪循環でしたね。

そんなとき、白血病を患ってしまい、入院と通院の日々でした。さすがに私一人では厳しくて。弟の力を借りながら、なんとか会社の切り盛りをしている状態でした。余命あと半年なんて、漫画みたいなセリフ言われたりして。
それでも会社のことしか頭になかったですね。薬代は経営に当てたりして。だから病状が悪化しちゃったんですけど。他にも、M&Aとか色々考えてました。

-その時ばかりは、松井さんでもM&Aとか売却を考えていらっしゃったんですね。もっと強気なのかと。

そんなことないですよ。
とにかく会社や周りに迷惑をかけたくないという一心で、M&Aの会社に話を持ち込んだりしてましたよ。そしたら何社か候補ができて、良いお話もいっぱいあったんですが、会社の売上が持ち直って来たので、結局は売らずじまいでした。

でもその時は、自分も白血病の大変さを知らないでいたので、医者にはいつも「絶好調です!」なんて言ってましたよ。笑。

2度目の白血病でもやはり会社優先

-そこから退院されて、また全力投球でお仕事ですか?

そうですね。直営店舗を潰したり、従業員がやめてしまったり、色々ありましたが、今では主要なメンバーが頑張ってくれています。ただ、またしても白血病が発症してしまい、白内障も併発してしまうんですが。

-一昨年のことですね。

そうです。その時もやはり私自身は結構元気で。笑。
会社の事務作業をやったり、FCをやりたいって人の面接を受けたり、全て病院でやってましたね。
おかげさまで、その時は社員さんも頑張ってくれて、大きく売上を落とすことなくやっていけたんですよ。

-すごいですね!従業員さんの教育ってどうやってされているんですか?

最初は細かく指導していたんですが、従業員が多くやめてしまったのを機にそれもやめました。もちろん多少の指導はしますが、役職が人を育ててくれています。おかげさまで離職率も低いですしね。
今はマネージャーが2人いて、その人たちが僕から仕事を奪っていってくれるのを楽しみにしています。

経営者としての考え方にふれる

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知見や繋がりを広げる考え方

-私自身も社会人として発展途上ですが、なかなか仕事を奪う/つくるって難しいと感じてしまうんですが。

そうですよね。
もし、あなたが持っている色が3色しかないなら難しいと思います。これが例えば30色あれば、選べるものは違うし、つくれる色も多いと思うんです。
だからこそ、手前の色だけで選ぼうとせずに、しっかりと色を増やしていかないといけません。それこそ本を読んだりとかでね。

-んぅー、そういうことですか。また後ほどそちらを細かく教えてください。一方で、お客さんに対する取り組みはどういったことを?

飽きないように色々なコラボを打っています。例えば、この間の仮面女子や映画の半券などですね。唐揚げってふとした時に食べたくなるものですし、みなさんの食から外れないと思うんです。
だからこそ、ふとした時を(食べる機会)を作ることが来店に繋がっていると思います。

-その件も含めて、非常に人との繋がりが多いように思いますが、何か取り組まれているんですか?

人と会うことは絶やしませんね。以前から、ひつじ会という勉強会もやっていまして。色々な方に登壇いただいて、多い時では50人ぐらい集まる回もありましたね。
コンサルの人や、業界の人、IT企業の社長など、ほんと多岐に渡ります。そういった繋がり1つ1つを大切にやっています。

人としての魅力

-私も取材を通す中で、できればみなさんと繋がりを持ちたいのですが、魅力がないと難しいと思うんです。その点はどうでしょうか?

魅力というよりも、ひたむきに頑張っているかどうかじゃないですか。人は結局、がむしゃらに頑張っている人や成功している人に惹かれるのだと思います。だからこそ、目の前のことに頑張っている姿勢を見せてあげたらいいんじゃないですか?

-確かに、仰る通りですね。先ほどの色の話とも関係してきますか。

そうですね。
例えば、海外旅行にあまり行っていない人が、海外を語ってもしれているわけですよ。全然行ってないのにわかった顔してと。そんな見栄を張るのではなく、海外にたくさん行けばいいんですよ。たくさん行って、20ヶ国ぐらい回って、たくさん知見を集めればいいんです。

若い人が何すべきかって「本を読むこと」と「行動すること」の2点ですよ。

色(=知識)を増やさないと選択が限られるわけですから、色をいっぱい集めないとしょうがないです。何かを思いつく時、それは頭の中からしか出てこないですから。INPUTがなければOUTPUTもないです。
行動に関しても、頭にふと思い浮かぶものは、これまでの経験で得られたひらめきなんですよ。それを行動に移さないと消えてしまう。もったいないですね。自分を試すチャンスを失うことになる。
だからこそ、どれだけINPUTを増やして、OUTPUTを作っていくかが勝負ですよ。失敗は恐れちゃダメですね。

時代を担う若手に向けて

-ものすごくタメになります。取材時に、時代を担う若手に向けた言葉をいただいてますが、「知識を広げ行動せよ」ということですか?

そうですね。
ものごとなんとかなるようにできているんです。だからこそ、やってみたらいいんですよ。
実は私「運」という言葉が嫌いで。「人事を尽くして天命を待つ」って言葉の方がしっくりくる。私の事業や会社もたまたま成功しているだけなんですが。
ただし、そのたまたまの角度を上げるために、絶えず色々なことを考え実行しているんです。それが伸るか反るかは天命を待つ形になりますけど、そこに至るまでの努力は惜しみませんね。
まだまだウチもこれからですけど、そのためにできることは惜しみなくやります。

「ヨーロッパのサッカーチームを買収するという夢は叶える」

会社の今後

-今後の会社の行き先を教えてください。

今は特にカンボジアに焦点をあてています。
カンボジアって、ベトナムとタイに挟まれているのに何もないんですよ。あれだけの発展国に挟まれていながら。だからこそ、倉庫や物流網が発展したら、大きな商業マーケットができあがります。
そこで、何かインフラ開発などができるなと考えています。ゆくゆくは学校なども建てたいなとは考えていますね。

-それが、松井さんの夢に繋がっていくと。

その通りです!
飲食業だけで私の夢を叶えるのはやはり難しいんですよ。
だからこそ、今の当社は食品商社ですから、唐揚げ粉などを中心にした輸出を拡大していきます。これから伸びるカンボジアを含めた東南アジアの市場を攻めていきます。

もちろん主力の飲食事業も絶やしません。まだ車イスでの生活なので直営を増やせていませんが、リハビリで回復したら直営も含めてFCとで、3年で100店舗達成がまずの目標ですね。各都道府県に1店舗は【天下鳥ます】があるようにしたいなと。

「ヨーロッパのサッカーチームを買収する」この夢を叶えるまでは死ねません!

-本日はありがとうございました。

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