特集記事【株式会社ビープラウド 大山 淳】地都協業に燃える商売のプロ

FOOD SERVICE INNOVATOR 株式会社ピープラウド 大山淳

プロフィール

株式会社ビープラウド 代表取締役 大山 淳

1878年 1月13日生まれ 大阪府豊中市出身

関西大学卒業 父がインド人で母が日本人のハーフ。経営者の父の背中を見て育ち、学生の頃から経営者を志す。2009年に株式会社ビープラウドを起業。移動販売車から事業を始めるが、東日本大震災をキッカケに社会貢献を意識し、NPO法人淡路島活性化推進委員会の理事も務める。現在では甘みの強い玉ねぎを使った商品『淡路島カレー』を全国113店舗で販売。

■企業HP

http://www.beproud.co.jp/

学生時代に掴んだビジネスの原体験

ー学生時代のことを教えてください。

私の父はインド人で母は日本人です。ただ、幼い頃に父が他界してしまったため日本人の母のもと、いわゆる日本の家庭の中で育ちました。

化学が得意だったので、大学は関西大学 工学部応用化学学科に進学しました。

大学に入学してから、日雇いなどの仕事も合わせて累計50個程の仕事を経験しました。大学入学後もサッカーを続けるつもりだったのですが、当時所属していた学科では部活動に参加することが許されておらず不満が溜まっており、バイトに明け暮れる日々を過ごしていました。

その中のひとつでヨーロッパの高価ブランド品の並行輸入を行なっていたんですが、ここでのアルバイト経験は私にとって凄く意味のあるものでした。

この事業は、私がアルバイトとして長く勤めていたレストランオーナーの本業として行っている事業でした。私が長くレストランに勤めていたご縁もあり、オーナーからご紹介いただきました。

給与体系としては「固定給+日本で卸した営業利益の4%」というかたちになっていたので結果が報酬に繋がることもあり、とてもやり甲斐がありました。

一度の買い付けで10カ国20都市くらいを回る際に、一人で免税品を買うことのできる量には限界があるので、常に『どれだけ効率的に商品を安値で仕入れ、どれだけコストを抑えて卸すか』という商売の原点を徹底的に考え行動することを無意識のうちに実践しており、私のビジネスに対する考え方の根幹を形成するうえで非常に大きな経験になったと感じています。

起業への憧れと人生への思慮

ー人生を理想的なものにするための卒業

先程の仕事を経験した後は大学を辞めることも考慮しましたが、大学の友人と研究室で『将来どのような人生を歩みたいか?』ということについて議論したことがありました。この時に経営者だった父親への憧れを思い出し、『事業を起こす』ということを意識しました。その近道である起業家排出風土の整った企業に就職するためには、どうしても学校を卒業する必要があると考えて卒業を決意しました。

ーベンチャーリンクへの就職

今まで勤めてきた勤務先から「うちで就職してくれ」という声は沢山いただいたのですが、当時多数の企業のコンサル事業を担っていた株式会社ベンチャーリンクの『広く事業展開ができる仕組み』を学びたいという想いがあり、就職を決意しました。

当時社内では、従業員の月毎の平均労働時間が400時間を超えるという過酷な労働状況だったのでとても辛い経験もしましたが、大きく成長することはできたと思います。

当時ベンチャーリンクでは30以上のブランドを全国にFC展開するというコンサルティング事業を行っていたのですが、大きく2つの課題を抱えている状態でした。ひとつは加盟店の店舗開業後、黒字化できないという課題、もうひとつは加盟契約は締結したものの、適した物件が手配できずに開店できないという課題でした。

私が配属されたのは店舗運営室という部署で、FC加盟店の赤字店舗を自社で買い取り、自分たちで改善を行い黒字化させるという部署でした。当時私が担当したブランドでは販促活動の見直しとオペレーションの見直しを徹底的に行い、月商400万円のお店を1000万円まで引き上げることに成功しました。

その後、そのブランドのスーパーバイジングを行ったり、別ブランドのFC化の新規立ち上げを経験させていただきました。

当時ベンチャーリンクのノウハウは、いかに工数をかけてお店のクオリティを高め、店舗の売上を高めていくかということに特化しており、その手法で多くの実績を上げていましたが、私の担当することになったクライアントには、その手法で大きな成果を提供できるイメージがどうしても持てませんでした。

そこで、私は当時FC本部側の業務とされていた、販促物の見直しやメニュー構成などといったブランドの根幹を本部と協力して改善していくという、より業態創りに近い領域に思い切って踏み込むことにしました。

タイミングが良かったこともあるかもしれませんが、私の考えた手法やFC本部の方のご協力で実績を残すことができ、クライアントからの評価をいただくことはできました。

ーそして独立

私が29歳の頃、転職を考え、クライアント先にご挨拶に伺ったところ、「自分が立ち上げたブランドなのだから最後まで責任を持ちなさい」、「あなたが会社を辞めても、仕事はあなたに任せたい」と言っていただきました。会社に戻り、その話を上司に報告したところ徹底的にお叱りを受けましたが、当時の社長にお話をさせていただいたところ「そこまでクライアントがおっしゃるのなら」と特別に退職後にクライントを引き継ぐことを許可していただきました。当時の社長とは今も親しくさせていただいていますが、いまだに頭が上がりません。

その後、自分でコンサルティング会社を立ち上げたのが独立のきっかけです。

ー最初のビジネスは移動販売

コンサルタントとして独立はしましたが、それだけを事業とするのにはリスクもあったので移動販売のビジネスを始めることにしました。
当時の移動販売車は「から揚げ専門」、「焼きそば専門」といったように提供できるアイテムが一つしかなく、非常に非効率だと感じていました。そこで私は広い業態に簡単に対応できるよう、シンプルな車を作り色々な商品を提供できるような仕組みを作りました。

しかし最初は全く上手くいきませんでした。
イベントや催事の際に出店することができれば、かろうじて利益は出せるものの、平日に売り上げを出し続けるためには様々なアイテムでモーニングやランチ、ディナーまで常に長い時間を戦い続けることが必要でした。しかしこのような方法では、従業員達も疲弊してしまい、とても続けられるものではありませんでした。

結局最終的には、売れる時間帯に売れるものを徹底的に売ることが利益を最大化することにつながるということに気づきました。移動販売車の場合、行列が出来ていないとお客様は不安を感じて購入しようと思っていただけません。大体7人~8人程度が常に並んでおり、40秒~45秒程度で1名のお客様の商品提供が完了し、待ち時間がそこまで長時間にならないようにすることが理想的なモデルでした。

試行錯誤の結果、事業を始めて1年ほどで4台~5台ほどの車両を稼働させるまでに成長させることが出来ました。

震災をキッカケに世のためのビジネスを考える

ー東日本大震災を契機に投げかけた問い

2011年に東日本大震災が起こり、テレビの報道などで沢山の苦しんでいる方々を拝見しました。そしてその時に、自分の行なっている移動販売というビジネスは本当に『世の中のためになっているのだろうか?』という問いを自分自身に投げかけた時、私はそれに答えることができませんでした。なので、一度立ち止まって、自身にもできる『世の中のため』になる事業は何なのかを考え直しました。

私は淡路島の甘みの強い玉ねぎが本当に好きで、いつか淡路島の玉ねぎを使ってカレーを作ってみたいと、かねてから考えていました。
以前、アイリッシュカレーというギネスビールで煮込んだカレーを取り扱っていた経験があり、美味しい玉ねぎがあれば絶対に美味しいカレーが作れるという考えがあったので、淡路島のとっても甘い玉ねぎを使い”淡路島カレー”を作り、淡路島の玉ねぎを適正な価格で市場に流通させることで社会貢献ができると思い立ちました。

そして現在では地域部と都心部で協力して商いをするという意味を持つ『地都協業』という言葉を淡路島カレーのコンセプトにして販売しております。

 

淡路島カレー

顧客満足度向上への取り組み

ー従業員やお客様へバリューを届けること

B to B事業ではカレーがメイン商品のため、少しでも売れなければ本部すら運営することがままならなくなってしまう可能性があります。そういったマイナス要因を人件費をかけずに取り除くために本部を少数精鋭体制で運営し、かつ少しでも良い品質を保つためにカレーの出来栄えを全て遠隔で管理するという仕組みを採用しています。フランチャイズ店舗に要求していることは『月に2回運営本部にカレーの出来栄えを画像で送ること』そして本部からは『画像を元に運営本部が点数兼フィードバックを返す』という仕組みを徹底的に行なっており、この仕組みによって弊社のカレーの品質は保たれています。

各加盟店のカレーの出来栄えがもし芳しくない場合、各加盟店用のポータルサイトがありそちらにアクセスしていただきます。そちらのサイトで調理方法やマニュアルを動画で確認していただき、それを参考に改善を行なっていただいています。

B to C事業では、地都協業をコンセプトにしているので、地方の作物を適正な値段で流通させるということを意識しながら事業を行なっているため、地域の農家の方やNPOの会員の方に少しお金が還元されるという仕組みも作っています。淡路島カレーを食べていただいた際に同時に『地域貢献ができる』ことでお客様にも良い体験をしていただくことを顧客満足度向上のバリューにしています。

 

淡路島カレー接写

 

淡路島カレー10周年にかける想い

ー今後の展望

現在は淡路島の素材を使用した美味しいハンバーグを作るという事業を行なっています。そしてもうすぐ淡路島カレーが誕生して10周年を迎えるので、10周年の記念として淡路島カレーと淡路島ハンバーグの双刀で、もう一歩深く淡路島の地域貢献・地域創生に携わりたいと考えております。

 

淡路島カレー2

 

-本日はありがとうございました。
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