特集記事【株式会社アイエムエムフードサービス 河村 征治】ブランド開発と多角経営戦略で企業を導く

アイエムエムフードサービス

プロフィール

CEO/代表取締役社長 河村 征治 (かわむら せいじ)

1977年生まれ 石川県金沢市 出身

若い頃から飲食業界での起業を志す。高校卒業後にはフレンチの料理人として修行し、その後は単身で渡仏。フランスのアルザス地方トラスブールにて2店舗、パリにて1店舗のお店で料理修行をする。自らオリジナルのアイスクリームブランドを立上げその後、株式会社グローバルダイニング入社。20代で取締役副社長に就任。33歳で独立起業する。ブランド別に複数の事業法人を立ち上げる。

現在では、様々な業態で飲食店を直営27店舗運営。ドリンク専門店として、LEMONADE by Lemonicaを33店舗(FC店含む)、加えて『金沢ピザ工房 森山ナポリ』(冷凍ピザ専門のECサイト)も運営しており約5万人の会員を抱える。

◼企業HP

https://immfoodservice.com  アイエムエムフードサービス株式会社

http://lemonade-by-lemonica.com 株式会社 レモネード・レモニカ

http://www.moriyama-napoli.com 株式会社 森山ナポリ

少年時代から独立を考える

LEMONADE by Lemonicaなどを展開し、今では注目される存在となっている河村社長ですが、独立を志されたのはいつからなのでしょうか?

中学生の頃には将来は独立して自分で作った仕事をしたいなとは漠然と思っていました。
その後、高校生の頃に飲食店をやろうという考えに至りました。
自分で仕事をするならお店をやりたいとは思っていて、アパレル・物販・飲食などで比較した時に「飲食」がいいかなと思ったんです。

理由は、お客様に評価してもらうための最低限の時間が確保できるということです。
アパレル店や物販店だと入店して2分くらいでパッと退店してしまったりするじゃないですか。飲食店の場合、一度入店すればパッと出ていくことはなく、良かれ悪かれ一定時間そこに滞在するわけですよね。滞在してもらえるのであればその間にこちら側から何かしらのパフォーマンスが発揮できると考え、可能性を感じることが出来ました。
逆に物販店舗での短時間滞在中にできることを、当時の僕は見出せなかったということでもあります。

 

ー飲食業を志すことを決めた後はどの様に進んでいったのでしょうか?

飲食店をやるからには自分自身で美味しい料理を作る技術を身に付けることが一番、という考えのもと、先ずは料理人を目指しました。そこで当時、無知ながらに、世界一だという印象を持っていたフランス料理を選びました。国内で1番と思ったフランス料理店で修行し、その後、20歳を過ぎた頃にはフランスへ渡り、現地のガストロノミーのフレンチレストランに頼み込み、料理修行を開始していました。

帰国後の23歳頃に、三菱商事、住金物産等の大手商社への商品開発コンサルティング、個人飲食店やカフェのプロデュースなど幅広く、食関連の業務を請負いながら、同時に自身でオリジナルのアイスクリームブランドを立上げました。実店舗は持たずに路上販売や卸しを行いました。自社ブランドとして私自身がレシピやデザインを作り、ブランディングし運営をするという事業で初めて起業した頃です。

なぜ当時、最初の起業にアイスクリームを選んだのかというと、商品開発、製造〜販売の一連の商売を一番小さい形で全てイニシアチヴを取りながら、経験したかったのだと思います。また、多くの人に愛されているアイスの商品力、当時の私はそこに勝機を見出していたためです。しかし収益化をすることがとても大変で、アイスクリーム事業は3年程継続しその後、撤退することになってしまいました。

 

企業・社会の仕組みを学ぶ

事業を一つ失敗した後、株式会社グローバルダイニングに入社しました。

店舗での料理長勤務から、数年後には全店舗の経営を担うポジションに就きました。さらに、29歳で取締役専務副社長に就任しました。

私が在籍していた当時の同社内は、年齢や学歴に関係なく実力があれば、どんどん昇進していくことができるという実力主義の成長風土が広がっていたので、たくさんの人材が育つ環境があったと思います。

 

ー成長するために意識していたこととは?

それは料理人として学んだ、『自ら仕事を作り出す』ということです。会社役員時代の私は、人から言われたことや決まっていることではなく、自ら作った仕事にプライオリティをおいていました。その方が結果もついてきました。

私がフランスで修行をしていた頃、お肉の焼き方ひとつをとっても丁寧にすべてを教えてもらえるということはありませんでした。職人の仕事は、丁寧に教えるということが苦手な人が多いんです。その理由はレシピを完全にはマニュアル化できないからだと気がつきました。注意するべきことが無数にあり過ぎるのです。その時の状況によって最適な方法が変化する中で自らの経験や勘で料理を作っていく、肉は絶対に何度で焼くとか言えないんですね。そのため、まず最初は感覚や仕事のリズムを覚えなければなりません。覚えた後は、自分で考えた理論でやってみて検証することが重要でした。

料理以外でも同じだと思っています。なので、売上がどうやったら伸びるのか、どうやったらコストは下がるのか、業者とはどう契約したらいいのか、従業員とはどう接したらいいのか。これらを人から教えてもらおうと思ったことはありませんでした。

例えば、売上がどうやったら伸びるかというのは、今日来たお客様が気に入ってくれて次も来てくれる「リピーターを作る」ことが重要です。
しかし、どうしたら次も来てもらえるかの正解は千差万別だと思います、マニュアルの決まったサービスでは需要を満たせず、自分で考えてその時の状況に最適化したものを提供しなくてはいけません。

ひとつの問題の解決方法を教えてもらったとしても、問題の本質は必ず一つではなく複合的な物ですので、教えてもらったことが必ずしも次の回も正解とは言えない。
そう考えると、少しでも自分の目で見て、情報を集め判断する能力を養うことが重要です。なので、料理を通して『自ら考えて行動する』ということを教えてもらったことは仕事の基本になりました。

新しいこと、出来ないと思う事に『挑戦』すること。挑戦を楽しむこと。チャレンジにはリスクという感覚はなく、自己の成長に興味を持ち集中する事が大切だと思います。そうすると、考えが柔軟になり、幅広くやりたい事が次々と出てきて、それがアイデアになるんだと思います。

 

レモネード専門店「LEMONADE by Lemonica 渋谷ストリーム店」
レモネード専門店「LEMONADE by Lemonica 渋谷ストリーム店」

 

独立、拡大、失敗から培った新規出店ノウハウ

ー独立に至るまでの経緯とは?

ひとつの事業を始めて結果が出るまで5年ぐらいかかると予想していました。33歳の当時、独立起業して結果が出る頃には38歳になります。上手くいく分にはいいんですが、途中でもし失敗をしてしまったとしてもその年齢なら人生で再チャレンジするチャンスがある。と勇気を持つことができたので、独立を決意しました。

地方で成功する飲食店のモデルを作りたいと考えていたので、日本中を色々探した結果、豊富な食材と文化都市というのが決め手で、地元金沢を起業の地に選択しました。

最初にカジュアルなハンバーガー専門店をオープンしました。集客は大変うまくいき直ぐに5店舗まで拡大することができたのですが、店舗数が増えるほど店舗同士の顧客の取り合いが起こってしまい、結果的に各店舗の売り上げを下げる事に繋がってしまいました。金沢の限られた人口をターゲットに営業を行なっていたので、狭い範囲の中でのお客様の数と来店頻度を見誤っていたこともあり、最終的にハンバーガーショップは全て閉店することになりました。

ハンバーガーショップを全て閉める前に、パンケーキをメインとしたハワイアンレストランや、オリーブオイルを愉しむ地中海料理レストラン、またビアガーデン等のレストラン業態を出店していました。閉めていくことと出店していくことを同時に進めていました。

ー新規出店するために重要な事とは何でしょうか?

絶対はないと思うのですが、気をつけなければならないこととして3点あります。

1つ目はお店の立地環境。2つ目には業態設計です。周囲の立地と業態の相性は何よりも先に考えなければなりません。
そして、最後には、やはり商品品質です。場所が良くても業態が合っていても、満足度が高くなければお客様にリピートしていただけません。

この3つは、それぞれが影響し合って稀に最高のバランスが整います。どれも重要ですが、開業後に修正が効かないという意味では、立地選定は特に複数のシミュレーションを考えてみて慎重に決めるべきだと思います。
他には、スタッフの人材の適材適所と客単価の設定も重要です、希望する立地の通行量の調査をしたりするといいですね。

立地のことですと、自分が出店したいと考えている物件の場所にいろんな時間帯に行ってみて、近隣店舗の集客数を数えるということはとても店舗展開の際に役立ちます。

都内であれば特に、至る所に街ができ、それぞれでなんでも揃うようになってきている現在、いままで以上に、生活圏内での消費をターゲットに置く予測の立て方が重要だと思います。

僕が飲食を始めた当時は、食事のためにわざわざ遠くまで出向きましたが、今は飲食店の商圏は小さくなっていると感じます。

地域一番店を目指すことが大切だと思います。

 

最良の顧客体験はサービス・コンセプトの設定から始まる

ー数々の業態で成功していますが、どの様に顧客満足度を高めているのでしょうか?

まず最優先で「どういうサービス・商品を提供するのか決める」ということです。その店がどのような価値を顧客に提供するのか?という「商品計画」を強固に設定するということを行なっております。

強固に設定するとはどういうことかというと、開業する前にできる限りしっかりとコンセプトを固める ことです。メニューやレシピはもちろんですが、スタッフのポジションごとの定数を決めること。日によって出勤人数を増減せず、あらかじめ設定した接客方法を提供するために必要なスタッフ人数と業務を設計します。商品カテゴリー数と一人当たりのアイテム皿数も予定して作り込みます。

もし企画通りに店舗運営しているのにも関わらず、集客数が足りないようであれば先ほどのお話ししましたが、『立地環境』の読みを間違えたということかもしれません。反対にお客様が来ているにも関わらず利益が少ない場合は、一度事業の収益モデルを再確認した方が良いです。

 

ー顧客体験のための商品開発とは?

例えば、デートや家族連れ、ビジネスや商談など、私たちの作るサービスがお客様の多様な用途に合うかどうか?ということを考えます。多くの場合、店選びは『用途』でされており、『子供といる時はカフェ』、『古くからの友人といる時は居酒屋』、『彼女といるときはレストラン』などのように、同じ人が選ぶとしても、使い方によって求められるものが変化します。このように“外食”とは『目的を達成するための手段の一つ』であることを意識して、お客様のニーズ・目的に合わせた飲食店を企画することが大切だと考えています。

そしてお客様のニーズに確実に合わせることを目指す場合は、画一的な店舗コンセプトではなく、一店一店オーダーメイドの店づくりが必要だと思います。

 

目指すべきサービスを実現するための教育方法とは?

スタッフ一人一人に、どのようなお店であるか?というショップアイデンティティをしっかりと伝えることです。 『マニュアル・教育・管理』も大事ですが、『どのようなお店をつくりたいのか?』という目的意識をはじめ にしっかりと伝えたいと考えています。従業員には先ず「お店を作った目的、お客様の用途、自分たちの存在価値」を伝えてから目標のお店を作るために、『何をすべきか?』という解決策について考える。一店一店でこれが出来ればお客様に伝わるお店ができると思います。

 

 

点心専門店「YAUMAY」東京・丸の内
点心専門店「YAUMAY」東京・丸の内

 

より広い層のお客様へ、そして海外へ

河村社長が目指す未来

レストランの経営には本当に多くの学びがあります。夢のあるしごとです。
世界中の人々に喜ばれるレストランを作りたいと思っています。
ピザのEC部門では、日本全国の人に体験していただける商品作りを。
そしてレモネードでは、世界中の人にオリジナルのブランドを伝えること。
今までより更に、たくさんの人々に私たちの商品を手に取っていただくことが目標です。

サービスを海外にも届ける

海外には現地法人を設立し、運営も行なっていきます。そして現在アメリカのサンフランシスコに、IMM and ORG,Inc.というベンチャーを作り現地パートナーと共に直営店出店の準備をしています。

日本だけでなく世界中の、よりたくさんの人々に私達の手掛ける商品が届き、評価されることが楽しみ です。これからも大好きな「食」に関わる仕事を続けて、新しいモノを作っていけたらと思っています。

 

-本日はありがとうございました。
Food Media(フードメディア)がお届けする飲食業界の最新ニュースや業界動向をお届けするWEBメディア

特集記事カテゴリの最新記事