特集記事【EGGS ’N THINGS JAPAN株式会社 村上 卓也】答えを提示し会社を導く。EGGS ’N THINGS JAPAN社長のアプローチ

EGGS 'N THINGS JAPAN

プロフィール

EGGS ’N THINGS JAPAN株式会社   代表取締役  村上 卓也 (むらかみ たくや)

1978年生まれ 兵庫県尼崎市出身

学生ベンチャー企業、経営企画、コンサルタント職を経て、トリドールへ入社。EGGS ’N THINGS JAPAN株式会社へは2017年に入社し、2018年より現職を務めている。
店舗数はカジュアルレストラン形式のものが19店舗、カフェが2店舗、サラダ専門店が3店舗の24店舗となっており、従業員数は社員93名、アルバイト463名と、全体で500を超える人数になっている。

■企業HP
https://www.eggsnthingsjapan.com

 

研究者の道からコンサルタントへ

どこか浮いていた少年時代

ー幼少期のお話から伺ってもよいでしょうか。

はい、今思うと小さい頃は少し変わった少年だったことを覚えています。
小学生の頃、勉強はあまり好きではなくて、友達とザリガニ釣りに夢中になっていました。

中学ではバドミントン部を自分たちで新しく立ち上げました。幸いにも顧問の先生が経験者の人でしっかりと指導してくれたのと、私たちが意外と熱心に練習に打ち込んだことで、私の代で県大会出場まで出れるほどになって、自分たちの卒業2年後には後輩が全国大会に出場していました。

 

研究職から経営企画職、そして飲食へ

ただ勉強にはやはりそれほど身が入らなかったのですが、バイオの研究がしたくて一浪して大学に行きました。

大学院では別の大学に移り本格的に研究者を目指していましたが、先輩と相談して、当時の研究分野でもあったバイオインフォマティスクス(バイオのデータをまとめる仕事)をそのままサービスにして起業しようという話になりました。

年商2億円、メンバーはアルバイトも入れて30名弱にまで育てましたが、社長をやっていた先輩がフィットネス事業に注力するとのことでしたので、「それは俺の仕事ではないな。」と思い、取締役の任期満了で自分の道を探すようになりました。

それでたどり着いたのが京都の大手電子部品メーカーで、私が経営企画をやりたかったのと、ちょうどライフサイエンスの人材を探していたということで、拾っていただきました。

国内では新規事業の立ち上げのお手伝い、その後米国に出向するなど多くのことを学ばせていただきました。さらに厳しい環境を求めて、コンサル会社に入社しました。ここでも忙しく働かせていただいたのですが、入社から3年弱経ったとき、ユニット内で結構上の方になり、コンサルの仕事の進め方があらかた実践できるようになり、転職の意思が高まりました。

 

ーここからどう飲食へとつながっていくのか、とても興味があります。

そうですよね()自分でもそう思うのですが、ここで新たな転職先となったのがトリドールで、私としては初めてのBtoC企業であり、飲食業界でした。

もともと、そのうち学生の時のように自由に仕事したい、独立したいなという思いが自分の中にあって、やるならITか飲食だと考えてたこともあり、成長の勢いがあるトリドールを選びました。

あとは私の出身地でもある関西を拠点に活動したいなという思いがあっての選択だったのですが、私が入社して数か月後に「東京に本部を移す!」という話になってしまって()。まぁそうなってしまったのは仕方がなく、実際に東京は仕事のチャンスが多い場所ではあったので、そこを拠点に予算管理や海外事業を担当したり、IT部の再構築、CMを中心とした販促の最適化、丸亀製麺アプリの立ち上げなどを行いました。

 

ーこれまで転々とされてきましたが、トリドールでは何年ぐらい勤められたのでしょうか。

トリドールは3年弱ほどお世話になっていました。トリドールの次がEggs ’n Thingsで、それが2017年の6月頃の話です。

 

仕事のコツは執念深さ

ーどの会社でもかなりの成果を挙げられてきたようですが、ご自身なりに考える仕事のコツはありますか。

目の付け所というか、視点について評価してくださる方も多いのですが、私自身としてはいかに楽をしていかに広い範囲で、いかに大きなインパクトを出すかいうことを考えています。それを執念深く、半年、1年越しでも、必要と思えばいくらでもあきらめずに考え続けます。「勝つまでやる」という言葉がありますが、「勝つまで考え抜く」という感じです。

普段はできる限り人の話を聞いて、問題解決のために自分でデータを分析しながら、お客様の声もうかがいながら答えを導き出していくことを大切にしています。自分の考えでズレている部分を直す感じです。上手く実行していくためには周囲の納得感も獲得する必要があります。

一方で、戦略が小さくまとまらないように理想を持ち続け、一人で構想を練る時間を必ず定期的にとるようにしています。

あとは役割分担を意識することですね。何でもかんでも自分でやるのではなくて、その人にとってストレッチが必要なレベルでも、とにかく人に任せてしまって、それをフォローするスタイルが主です。

例えばSNSの運用なんかは、初めは私があれやこれやと口を出していたのですが、今はマーケティング担当とも阿吽の呼吸で動けるようになってきたので、何となくの方向性を伝えて任せるようにしています。社員のデザイナーとも、こんな感じでお願いしますと伝えるだけでうまくいくようになってきているので、非常に仕事がスムーズです。

 

Eggs ’n Thingsでの役割

EGGS 'N THINGS JAPAN株式会社  代表取締役 村上 卓也2

功を奏したメニュー改善

ー入社直後の業務はどのようなものだったのでしょうか。

私が最初に取り組んだのはPR、販促、メニューの改善、社員/PA採用です。あとは店長の計数管理能力の向上です。正直、結構広い範囲で今までのやり方を否定せざるを得ないこともあり、嫌がられますよね。「何様だこいつは?」と(笑)。ポスターや商品撮影も、メニューブック、PRの仕方、イラストの一つ一つ、各種レイアウト、採用の文面の一字一句などを私の仕事に対する執念が伝わるまで細かく何回も会議を重ねていきました。

地味な仕事なのですが、リピーターが最重要である飲食業界ではどれだけ多く「当たり前のこと」ができるかが勝負の鍵です。結構できていない会社が多い。

とにかくEggs ’n Thingsは、お客様の入店から退店までの体験価値を最大まで高めることをミッションとすること、そしてその体制を、12年という時間をかけてでも基礎から作り上げることが最重要だと信じており、いくら嫌われようが結果が語ると確信していましたので思い切っていろいろやりました。

 

ー社長に就任されたのはいつ頃でしょうか。

入社から9カ月後の20184月です。やや早くはありましたが、社長になってからは意思決定も自分で迅速に進められるようになったのはありがたいことでしたね。ただ、ハンコを押すことが増えたのは少し辛いなというものがあります。 ()

 

慣れない場所での立ち回りのコツ

1年目ということで、社長自身の社内での印象に影響はありましたか。

個人的に自分は新参者であるという意識はあったので、その点についてはかなり配慮し、周囲の納得感を得るための説明は惜しまず行いました。一方で、嫌われたとしても、成果を出すために必要な部分は絶対に譲りませんでした。いくら言葉で説明しても、数字という結果で示さなければ説得力はありませんので。

メニューの改善についても、いきなり私が「写真じゃなくてイラストでいきましょう」と言っても煙たがられ、納得感を得ることができません。そこでもう実際にイラスト付きのメニューのサンプルを用意し、周りの人たちに見せて回ることもありました。

「これはいける!」という雰囲気を作ってから実行へと移していきました。お店で実際にお客様をもてなし、売上を立てるメンバーのモチベーションは重要で、納得感を引き出すことがこういう場では特に必要になります。

 

Eggs ’n Thingsのこれから

EGGS 'N THINGS JAPAN株式会社  代表取締役 村上 卓也3

社内文化の醸成で顧客満足に応える

ーEggs ’n Thingsとして顧客満足度を高める施策はありますか。

Eggs ’n Thingsではとにかくお客様の入店から退店までの体験価値を最大まで高めることに注力をしているのですが、そのためには組織が文化を醸成していく必要があると考えています。他のカジュアルレストランより少し高い料金設定ですが、「もう一回来よう」と思えるような体験を提供することが重要になります。

そのためにも、まず取り組み始めたのが内部施策の改善です。少しでも素早く料理を提供するためのプロセスの改善や、効率性の追求など、お客様の関わらない、自分たちで取り組める部分を改めていきました。

同時に品質管理も最高レベルを維持する必要があるためここが難しいところとなりますが、あえて人員を導入しすぎないことでスピードと質の両方の維持を実現しています。

そして、店舗ごとの社員の数を増やすようにも取り組んでいます。アルバイトで入ってくれている人たちの存在は確かに大きな力となってくれるのですが、どうしても短期間で離れていってしまう人が出てきてしまうので、強い文化を作っていくことが難しくなります。

そこでメッセージが伝わりやすい社員を積極登用し、習熟度の高い人を作っていくようマネジメントすることで、店舗ごとの士気やクオリティの向上に努めるようにしています。

文化を育てるには小手先ではなく、長期的な取り組みが必要になります。確実に顧客満足度を高めていくには、長い目で見ることが必要になってくるのです。

あとはスタッフの待遇の改善も進めています。人事制度改革は自ら担当しているのですが、階層別給与も見直して、アップさせています。成果を出せば出すほど昇給する仕組みになっているだけでなく、賞与に関しても業績連動で以前の倍にしたことで、各店舗の接客・売上にも如実に良い影響が出ています。

 

従業員の育成も文化のうち

ー新人研修などで取り組んでいる具体的な施策はいかがでしょうか。

長期的に文化を醸成していくためには、社員にもできるだけ長く勤めてもらう必要があるので、会社が原因での退社がないような文化を作るように心がけています。

新卒のフォローアップ研修では、特に相互コミュニケーションについての重要性を説明するようにしています。マニュアルを作るというほどではないのですが、例えば上手に自分の想いを伝えたり角を立てずに人に伝える方法など、アサーティブに意思疎通ができる技術の重要性はしっかりと伝えます。

実践的な面では、従業員にシミュレーションし、あらゆる可能性を常に頭の中に入れてもらえるように取り組んでいます。常に全てのテーブルの様子を把握することは不可能なので、「こうきたらこう」と頭が自然に動くようなシミュレーションができるような研修プランを組み立てている最中です。

 

今後の展望は

ー今後の展開について教えてください。

カジュアルレストランのEggs ’n Thingsについては大きく店舗展開を増やしていく予定はないのですが、最近スタートさせたカフェ形態に店舗については100店舗を目標にしています。

Eggs ’n Thingsを増やさない理由としては、満足のいく広さとお客様の所得水準を満たす物件が中々ないことが挙げられますね。ただ無理には出店しないものの、確実に利益が出る場所には出店したいという思いはあるので、すでに目星をつけている物件は、担当者に空き次第抑えるよう伝えてはいます。

一方のカフェはEggs ’n Thingsほどのスペースも必要なく、スターバックス感覚で物件を選ぶことができるので、こちらはどんどんと増やしていきたいと考えています。場所を選ばないのが強みですが、同時に場所を選ばないメニューを開発していかないといけないのがこの形態の課題ですね。

 

-本日はありがとうございました。

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